フキッスフキッス

任意整理をしたら家は買えないのかな?

知恵博士知恵博士

この記事では任意整理後に住宅ローンを契約できるのか?家を購入する為の内容を書いていくね。

債務整理には「任意整理」「特定調停」「個人再生」そして「自己破産」がありますが、中でも多く利用されているのが任意整理です。

 

任意整理とはその名の通り、裁判所などの公的機関を通さずに行う債務整理で、個々の債権者との協議で利息の軽減や債務の圧縮を計る制度です。

 
しかし任意整理には他の債務整理と同様にデメリットがあることを忘れてはいけません。

 
それがブラックリストへの登録。そしてそれがその後の生活に大きな影響を与え、ある心配を生むきっかけにもなるのです。

 

「任意整理を行ったら一生住宅ローンは借りられないの?」「憧れのマイホームは諦めなくはいけないの?」…そんな不安を持つこともあるでしょう。

 
しかし安心して下さい!実は任意整理を行っても住宅ローンを借りる対策法があったのです。

 

任意整理は個々の債権者から選んで交渉する制度

 

債務整理の中で任意整理は、債権者ごとに選んで交渉することが可能です。
 
個人再生や自己破産では全ての債権者が対象になることから、銀行、信販会社、サラ金、知人など区別しないで手続きを行わなくてはいけません。
 

しかし任意整理では、「金利の高い業者」や「過払い金が見込める業者」を抽出して協議することが可能なのです。
 

つまり任意整理は借金を減額させる業者を選ぶことができる制度であり、これにより一定の金融機関にのみに配慮することもできる債務整理だったのです。
 
まず大事なポイントは任意整理では、直接負担を与える業者を選択できると覚えておきましょう。
 

任意整理を行うと結局は金融ブラックになる

 
業者を選択することができる任意整理ですが、負担をかける業者がある以上、その業者から情報信用機関への事故登録はされてしまいます。 
いわゆるブラックリストなのですが、これに登録されてしまうと一定期間は金融ブラックとして様々な制限を受けます。
 
【代表的な信用情報機関】

  • 株式会社CIC
  • KSC(全国銀行協会)
  • JICC(日本信用情報機構)

日本にはいくつかの信用情報機関がありますが、これらに金融事故が登録されることで、新たなローンが組めなかったり、クレジットカードが作れなかったりすることになるのです。
 
例えば5社から借金がありその中の1社について任意整理を行った場合でも、その1社が信用情報機関に登録することで、結局は金融ブラックになってしまいます。
 
任意整理を行う業者を選択しても、ブラックリスト登録を逃れることはできないのです。
 

ブラックリストへ登録されると、金融事故の内容が様々な金融機関へ筒抜けとなってしまい、融資の申し込みを行っても審査に落ちてしまうでしょう。それは住宅ローンも例外ではありません。
 
しかし絶対に借りられないのかと言うと、そうではないみたいです。そこで任意整理後に住宅ローンを借りる方策を考えてみましょう。
 

将来住宅ローンを借りたい銀行は任意整理の対象にしない

 

任意整理は業者を選択することが可能ですが、この中に極力銀行は入れない方がよいでしょう。
 
特に将来住宅ローンを借りたいと考えている銀行や、グループの金融業者には負担をかけない方が後々有利に働くことがあります。
 

例えば将来「三井住友銀行」から住宅ローンを借りたい場合では、消費者金融の「プロミス」は関連会社なので注意が必要です。
 

【銀行と金融業者の関係】

  • 三井住友銀行:プロミス
  • 三菱東京UFJ銀行:アコム
  • 三井住友銀行:モビット
  • その他

任意整理を行うことで必ずブラックリストへ記載されますが、申込んだ銀行に直接関係がなければ門前払いをせず、審査を行ってくれるケースがあります。
 
任意整理を行う際には将来のことも考えて、対象業者を選ぶようにしましょう。
 

任意整理後は銀行で貯蓄に励む

 
任意整理により債務が圧縮されると、後は返済するだけなのですが、ここで将来の住宅ローンで重要なポイントがあります。
 
それは貯蓄で、返済しながら少しでもよいので貯蓄を行うようにして下さい。
 

毎月の貯蓄は記録となり信用が生まれてきます。返済しながらでも貯蓄を行うことは、安定した収入と生活を示すことになるので、銀行からの評価が高まるのです。
 

また返済が計画通りに終了しその後、貯蓄額を増やすと優良顧客と見られる可能性もあります。
 
そうなればブラックリストに登録が残っていても、住宅ローンを借りられるチャンスが生まれてくるのです。
 

銀行からの信用は貯蓄に励むことでゲットしましょう。
 

家族の金融事故は問題にならないことが多い

 
原則として家族の金融事故は、住宅ローンの審査に影響が出ることはありません。例えば夫が任意整理を行っても、妻の審査には影響しないのです。
 
つまり夫の任意整理を行って短期間であっても、住宅ローンの申し込みを妻が行うことで審査が通ることになります。
 
もちろん妻が働いており安定した収入があることが条件ですから、住宅ローンを借りるために共働きを始めることもよいでしょう。
 

しかし注意点はあります。まずは金融ブラックの状態では、保証人になることはできないことを理解して下さい。
 
せっかく妻が申し込んでも保証人が夫では、「夫の信用情報を調べて下さい」と言うようなものです。
 
このケースでは保証人は夫以外の親や兄弟に頼むようにしましょう。間違えても金融ブラックの状態で保証人にすることは控えなくてはいけません。
 

頭金を高めることで銀行のリスクを減らす

 
住宅ローンの可否は「融資比率」が重要で、それが満足であれば金融ブラックでも住宅ローンが借りられることがあります。
 

融資比率とは頭金に対する融資希望額の比率で、4000万円の住宅を購入する際に1000万円を頭金で、3000万円を融資とします。このケースでは「3000万円÷4000万円×100」で75%が融資比率となります。
 

一般的には80%あれば優良とされていますが、金融ブラックの状況では70%以下にしたいところです。
 
上の例では最低でも1200万円は頭金として用意したいですね。
 

また担保を意識した頭金を準備することも効果的です。住宅は購入価格の担保価値はありません。
 
つまり4000万円で購入しても実際の土地の評価などを換算すると、担保価値は2500万円程度にしかならないことがあります。
 

しかし反対に銀行からすると頭金が1500万円準備できれば、担保を取ることでノーリスクの融資が可能になるのです。また土地の評価分だけを融資してもらう方法もあります。
 

頭金の額によっては金融ブラックでもチャンスは出てくるのですね。
 

返済比率は優良顧客をアピールできる

 
返済比率は収入における返済額の割合を示すものですが、これが少ないほど返済による負担が少ないと判断されます。
 
例えば毎月の返済が10万円だと年間で120万円必要になります。
 

年収が700万円でれば「120万円÷700×100」で約17.1%が返済比率になります。
 
一般的な返済比率は25%以下が望ましいと考えられていますので、それを目安に返済計画を立てるようにしましょう。
 

金融ブラックの状態では15%以下にすると、銀行の信頼を得ることもできるかもしれません。そのためには収入を高めることも大切です。
 

5年間まってから情報開示を申請する

 
任意整理でのブラック登録は原則として、各社5年になっています。つまり任意整理から5年を経過すると、情報信用機関のデータから消去されています。
 

つまり5年経つと一般の人と何ら変わらない属性に戻るのです。
 
この状態に戻ると金融事故は知られることなく住宅ローンの申し込みを行うことができ、また収入などの問題がなければ、住宅ローンを借りることもできるでしょう。
 

しかしフライングしてデータの消去前に、住宅ローンを申し込まないように注意しなくてはいけません。そこで申し込み前にチェックしたいのが「情報開示」です。
 
情報開示は各信用情報機関に申請することで、個人の信用情報を見ることができます。
 
つまり自分の信用状況を確認できるのです。
 

情報を開示してもらって、中身がクリアであれば住宅ローンを申し込んでも大丈夫。
 
もし3社の中で1社でも残っていたら、申し込みは止めるようにしましょう。そしてそのデータが消えるのを待って申し込みを行うのです。
 

焦っても何の得もありません。3社のデータが消えるのをしっかり確認することがポイントです。
 

金融ブラックでも住宅ローンは借りられる

 
任意整理を行った後でも住宅ローンを借りることは不可能ではありませんが、しっかりとした計画と準備が必要です。最後にもう一度対策を整理しましょう。

  • 任意整理を行った銀行には申し込まない
  • 住宅ローンを申し込む銀行のグループ金融には任意整理を行わない
  • 貯蓄により信用アップ
  • 家族名義で申し込む
  • 頭金を十分用意する
  • 余裕のある返済計画を立てる
  • 5年間経ってから申し込む

住宅ローンを申し込んで審査で落ちたとしても諦めることはありません。信用は日々変わっており、1年後には借りられることも珍しくありません。
 
過去の金融事故で夢のマイホームを諦めることにならないように、しっかりと計画を立てた上で住宅ローンの申し込みを行って下さい。