生活保護は持ち家があっても審査に通るのかな?
今回は生活保護と持ち家の関係性、都市伝説的に噂されているお題に関して説明をしていきますね。
今回はより内容がわかりやすいようにKさんに登場してもらいながら話を進めていきます。
Kさん 49歳
生活保護支給の申し込みを行った時の話
特に生活が苦しかった訳ではありません。家族四人で普通に暮らしていたのですが、病気がきっかけで家庭が崩壊の危機に陥ってしまったのです。
病気により働くことのできなくなったKさんと、幼い子供を育てなくてはいけない妻。
ついに貯金も底をついてしまい、幼稚園費どころか水道光熱費も払えない状態になりました。
食べるものも満足に買えない状況に、ついに「生活保護」に頼るしかなかったのです。
しかし、申請のため訪れた福祉事務所で、相談員から思いがけない言葉を聞かされたのです。
「申し訳ありませんが、この状態では保護は許可できません」そして「自宅の売却をしてから来て下さい」と。食べ物さえ買えない家庭に一体何が起きたのでしょうか?
生活保護には各自治体での都市伝説がある
都市伝説とは現代における噂のようなもので、大抵は大げさになっていたり間違いであったりすることが多いようです。
生活保護の中にも都市伝説のように、大げさに受け取ったり間違いであったりする情報が反乱しています。
この原因として考えられるのは、生活保護の運営が各地自体で行われているからで、福祉事務所の担当者の認識不足により引き起こされている側面もあります。
例えばA市では問題にないならない項目が、B市では問題になり生活保護の受給ができないことがあります。
我々が見ても問題ないように思えるのですが、担当者によっては大問題と認識してしまうのです。
このことから本来一律での運用が望ましい生活保護について、「A市は生活保護を受けやすいが、B市は厳しい」などの噂が独り歩きすることも珍しくありません。
生活保護は国民の権利であってセーフティネットです。各自治体でその運用がバラバラではそれこそ憲法違反にも問われかねません。
生活保護を受ける上で特に勘違いが多く見られる「持ち家」について考えてみましょう。
持ち家を所有していると生活保護は貰えない
Kさんのケースでは今住んでいる家が持ち家であることから、生活保護の申請を断られてしまいました。
Kさんはなんと申請さえもさせて貰えなかったのです。
生活保護の都市伝説の中には「持ち家に住んでいると生活保護は許可されない」との噂があります。
しかしこれは大きな誤りで、持ち家であっても生活に困窮していれば生活保護を受けられます。
過去の厚生労働省の見解でもこの点は認めており、「保有を認める」とあります。
ただしあくまで「処分価値が利用価値と比較して著しく大きくないこと」との条件が付いています。
つまり、豪邸に住んでいるケースや、新築住宅に住んでいるケースでは、処分することで多額のお金が得られることが想定されます。
処分価値が高いと言うことですね。またその家に住まなくてはいけない理由もないことから、処分を求められることになります。
しかし築20年も過ぎた住宅では、売却しようにもなかなか買い手が見つからないことが想定されます。
そのような住宅ではそのまま住み続けて、住宅の援助を行わず生活や学資の援助だけする方法が取られます。
普通に住んでいる持ち家ならば、所有していても生活保護は受けられると言うことですね。
贅沢かどうかは担当者の認識次第だった
Kさんの家は親から受け継いだ住宅で、築35年の築古物件でした。
本来であれば幼い子供2人を含む4人家族が住む家としては贅沢とは言えません。売却しようにもなかなか難しい物件なので保有が認められる案件です。
Kさんは弁護士の無料相談を受けることにしました。そして福祉事務所と掛け合って貰い、無事に生活保護の受給が開始されたそうです。
自治体の福祉事務所では職員の意識がバラバラで、担当者によって話が違ってくることが珍しくありません。
特に持ち家のケースでは「贅沢か?否か?」はあくまで主観であって、数値的に検証することは不可能です。
築古の持ち家に住みながら生活保護を受給するためには、写真や登記簿で家の状態を正確に説明し、必要であれば弁護士や司法書士などの代理人を立てて話し合うことが大切です。
住宅ローンが残っているケースでは生活保護は認められない
一定の持ち家を所有していても生活保護は受給できますが、住宅ローンが残っている場合ではどうなるのでしょうか?
残念ながら住宅ローンが残っている住宅は、原則売却しなくては生活保護を受給することはできません。
生活保護費はあくまで生活を補助するためのお金です。
もし住宅ローンが残っていれば、その一部が返済に回ってしまうため本来の意味を失ってしまいます。
そのためにまずは家の売却を行い、その後に生活保護を受給するのです。
しかし、住宅ローン残高が2500万円であっても、売却費が1800万円であれば、そのままローンが700万円残ってしまう計算になります。
しかし福祉事務所としては2500万円の借金よりも、700万円の借金の方が少ない額であることから、生活に与える影響が小さくなると判断します。
また金額によっては債務整理と生活保護をセットに提案する場合もあり、自己破産で借金を消滅させた上で生活保護の受給を開始させる方法が取られる場合もあります。
せっかく手に入れた持ち家ですが、住宅ローンが残った状態では生活保護は難しいようです。
土地の高いエリアでは売却を求められることが多い
築古住宅であっても東京都内や大阪市内などの住宅地では、土地の価格が高く、土地としての売却であっても売りやすい物件があります。
このようなケースではいくら住み慣れた築古物件であっても、売却を求められることになります。
都会では公営住宅(都営アパート、区営アパートなど)が充実しているので、住宅に困ることはまず考えられません。
しかし地方では住宅を売りに出しても買い手は現れずに、何年間も放置されてしまうことが想定できます。
それではいくら待っても生活保護は貰えずに、餓死してしまう危険性が出てきます。また公営住宅にも限りがあり、空きがない状況も考えられるのです。
つまり土地価格が高い都会の住宅は売却を求められ、土地価格が低い地方の住宅は住み続けた状態で生活保護が貰えることになります。
不平等に思われるかもしれませんが、これは住宅の資産価値が違うので仕方がないことだと理解しましょう。
持ち家の買い替えは果たして許されるのか?
持ち家に住みながら生活保護を受給している高齢者が、生活に便利で病院にも近い家に引っ越ししたいと考えた時に、果たして持ち家の買い替えは可能なのでしょうか?
歳を重ねてくると足腰も弱くなり持ち家の維持が難しくなります。
特に修理や庭掃除などは体力的にできなくなり、余計な費用が発生してしまうでしょう。
そこで持ち家を売却して駅や病院に近い小さなマンションを購入したいと考えています。
この考えは当たり前の感情であり、誰もがそう思うでしょう。しかし生活保護受給者が持ち家を売却して、買い替えを行うことは難しいことです。
持ち家の売却は収入になりますので、生活保護を減額する理由になるからです。
過去には同様のケースで生活保護を打ち切られた人が、裁判で生活保護の復活を求める訴訟を起こしました。
この時は足が不自由だったことが理由として認められ、生活保護の打ち切りは違法との判断が下されています。
しかし、全てのケースに当てはまるものではないので、持ち家の買い替えを検討する際には、予め福祉事務所の担当者とよく話し合うことが大切です。
本人は買い替えのつもりでも、福祉事務所としては単なる収入と見られる恐れがあると言うことです。
持ち家の有無と生活保護は基本的に別物と考えましょう
生活保護を検討している中でネックとなるのが持ち家で、「家を手放したくないから…」と生活が破綻しているにも関わらず申請をためらう人がいます。
また持ち家があっても生活状況が貧困状態にあり、生活保護の要件に合致しているにも関わらず、「持ち家があるでしょう」と申請を断る福祉事務所の相談員もいます。
この両者共に思い違いで誤った判断を下しており、生活保護の都市伝説に流されてしまっているようなものです。
あくまで生活保護と持ち家の所有は別の問題と考えて、セーフティネットが必要と感じたら堂々と申請するようにして下さい。
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